黄斑変性の患者さんの話 [治療効果]
黄斑変性とは聞き慣れない病名ですが、高齢化社会には頻度の高い病気の一つになってきております。
網膜中心が黄斑です。
ここが一番視力に関係が深い場所です。
黄斑付近の細胞に障害が出たときに視力が低下してきます。
本日紹介するのは60歳代の男性です。
右目の中心部が暗くなってよく見えない状況でした。
眼科では加齢黄斑変性と診断されております。
左目の視力は良好に保たれているので、日常生活は大丈夫です。
しかし、バスの運転が仕事の一部ですので、非常に困っている状況です。
運転するには危険な状態ですからね!
診察すると手足が冷たいのです。
手のひらの中央部は28℃しかなく、各指の指紋の中央付近では22℃から24℃程度しかありませんでした。
通常は手のひらの中央部の温度は低くても30℃はあり、指紋中央部の温度は冷えている方でも25〜26℃程度です。
身体の端っこまで十分に血液が流れていない状態です。
まずは湯たんぽ美人で身体を温めると快適に感じます。
されに首のスジに綿花を利用した、まだらめ式間接灸を行いました。
ついで、目にお灸をすると右目の中心部が真っ暗ではなくなり、見え方がよくなってきたそうです。
網膜にも十分に血液が流れていなかったのでしょう!
生活環境を伺うと、住宅が寒いようです。
寝室が寒くて困っているようでした。
寝室の環境までは湯たんぽで変えることはできません。
寒い寝室では眼底の血流は改善しにくいはずです。
低温でオールナイトで暖房をつけて寝ることを勧めました。
2週間後に再診でした。
寝室に暖房をオールナイトで入れ、湯たんぽのお湯替えの頻度を多くしたところ、
かなり視力が改善してきただけでなく、全般に気力が湧いてきたそうです。
今回は綿花を利用した、まだらめ式間接灸のやり方を覚えてもらいました。
首のスジに灸するのは難しいので、ほぼ同様の効果の出るツボが代用出来ます。
そのツボにお灸していただくこととしました。
すぐはご自身では難しいと思いましたが、目の灸を練習していただきました。
今回の方が前回よりもさらに目の調子がよくなったそうです。
仕上げに気診治療を行いました。
自宅で繰り返し、このような治療ができればある程度までは回復するでしょう。
加齢黄斑変性症の全てにこのように効果が出るか、まだまだ不明ですが、眼科の治療だけではなく
このような治療でもある程度の効果が期待できると考えられます。
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