半年以上水様の下痢が続く患者さんの話 [具体的な症例]
標記の患者さんが受診しました。
昨年の6月から水様の下痢が続いており、体力が低下して仕事にも支障が出ている50代の女性患者さんです。
近医だけではなく、いろいろな病院・クリニックを受診されておりました。
たくさんの検査を受けて、全て異常なしという結果です。
一般的に下痢に効果的とされる薬を長期に渡って処方されておりますが、効果が乏しいそうです。
血便は出ておりません。
体重が10キロ以上減ってきております。
女性の10キロですから、かなり大変です。
衣服が合わなくなって、色々と買い替えが必要になったほどです。
診察すると、冷え切った手足です。
非接触型遠赤外線放射温度計を使ってみると、手のひらの中央部では32度しかありません。
しかし、驚くべきことには各指の指紋中央部の温度は22-24度しかありませんでした。
手のひらの中央部でも温度が低いのに、そこからわずか10センチか15センチしか離れていない指紋の温度が10度近くも温度が低いのです。
手だけの問題ではなく、身体の隅々まで十分には血液が流れていないことを意味します。
当然のことですが、腹部にも十分には血液が流れていないと考えざるを得ません。
そのために水様の下痢が続いていたものと考えられます。
湯たんぽ美人を使って身体を温めると、気持ちがいいとおっしゃいます。
これだけ体表面の温度が低いのは珍しいことではありませんが、その程度はかなり重症と考えております。
せっかくご飯を食べても消化吸収されにくい状況が続いていたと推測されます。
ご飯だけではなく、薬を飲んで飲んでも吸収されにくい状況であったろうと考えられます。
湯たんぽ美人を使って、内臓に十分に血液が流れるようにしなければいけない状況です。
少なくとも3時間に1回はお湯を沸かし直して、十分に身体を温める必要があります。
場合によっては1-2時間に1回程度はお湯を沸かし直す必要があるかもしれません。
さらに身体を加熱した後の保温の方法・室内環境の改善・衣服の改善などについて説明しました。
同じような症状の患者さんは、これまでにたくさん診てきました。
最も酷かったのは潰瘍性大腸炎の患者さんで、1日に20回もトイレに行かざるを得ない患者さんがいらっしゃいました。
湯たんぽを使って十分に身体を加熱・保温したらすぐにトイレの回数が1日5回に減りました。
その効果は身体が温まったか否かで決まります。
湯たんぽのお湯替えをするのは大変ですが、頑張った効果は必ず出てきます。
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