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しもやけ 血を抜く [病態]

 これはこのブログを訪問してくださった方の検索ワードの一つです。

しもやけは最近はあまり見かけない皮膚の病気です。

昔は冬になると当たり前のように見かけたものです。

今の中高年の年代の方には馴染みのある皮膚の病気というよりは、冬の風物詩的なものでした。

世界的にみてもしもやけは少なくなっています。

数年前の英文の医学雑誌には、乗馬後に急性リンパ浮腫をきたした症例という症例報告が掲載されました。

極めて珍しい症例ということで査読後に掲載されたのですが、その後ベテランの医師からの指摘で

実はしもやけであることが判明しております。


このように昔は当たり前の病気でしたが、世界的にも減ってきていることが判ります。

生活環境が良くなってきていることが最大の理由でしょう。


さて、このしもやけは寒さのため、血管が収縮して手足の末梢まで十分に血液が流れなくなることが最大の原因です。

血液の流れが悪くなり、むくみを伴います。

むくむために神経を刺激して痒みを伴います。

血液の流れが悪いことは、局所的に(しもやけになっている部位に)うっ血が多くなっていることを意味します。


即効的に改善させるには注射の針でチクチク刺激する刺絡が効果的です。

このような刺激をすると、多くの場合真っ黒な出血が見られます。

貯まっている流れの悪い血液は酸素化されていないので黒く見えます。

血液は赤いもの、と思いがちですが動脈血鮮紅色です。

しかし、それに比べると静脈血は黒っぽいのです。

局所に停留した静脈血は通常の静脈血より黒い色調になります。


しもやけの局所をチクチク刺激すると、皮膚を刺激した場所から血液が滲み出てきます。

局所のうっ血が軽減すると痒みがなくなり、局所の血液循環が改善するのでむくみが減ります。

従って手や足も温かくなります。

この治療を繰り返していると、やがて血液が滲み出なくなります。


一気にしもやけが治るのではなく、ある程度繰り返す必要があるのは当然のことです。

しかし、段々と良くなるのが実感できます。

刺激後の出血量が減るので肉眼的にも判ります。


 普段から湯たんぽを利用して血液循環を良くしておくことや、

手袋やマフラー・帽子などを活用し、しもやけにならないように予防するのがいいですね!











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膀胱癌の患者さんの話 [治療効果]


 膀胱癌の50歳台の男性が受診しました。

膀胱癌そのものはすでに経尿道的に内視鏡で切除されておりました。

病理組織学的に異形度が高いと言われたそうで、膀胱の全摘手術は不要ですが

BCGの注入は必要であると説明されているそうです。

膀胱癌でBCG注入の治療は有力な治療法です。

しかし、相当な痛みを伴います。

担当医にも、痛みは酷いから覚悟しておくように(!)と言われているそうです。

これまでにも膀胱癌の患者さんが受診されておりますが、

ほとんどがBCG注入の痛みに耐えかねて他の治療法を求めての受診でした。


 初診日の3日後にBCG注入の予定でした。

診察すると手足だけではなく、臀部・大腿部・二の腕が冷たい状況です。

この状態ではBCG注入したらば、相当に痛みが出そうです。

この状態は自律神経の言葉で考えると、交感神経が優位な状態です。

副交感神経優位になれば痛みの多くは改善・消失します。


副交感神経優位にするためには湯たんぽで身体を十分に加熱・保温する必要があります。

湯たんぽ美人を使って十分に身体を温めていただくことにしました。

その他に、冷え改善のために必要な細々としたことを指導しました。


1週間後の再診の日には、にこやかな笑顔で受診されました。

BCG注入は全く痛みがなかったそうです。

担当医が驚くほどだったそうです。


湯たんぽ美人による身体の加熱・保温はそのまま継続していただくことにして、

綿花を利用した、まだらめ式間接灸を覚えていただく事にしました。

色々な部位を刺激する必要があるありますが、一度にはできません。

何しろ初めてお灸をするのです。

確実にできる部位・怖くない部位で練習していただきます。

徐々に難しい部位にもお灸できるようになって頂く予定です。

仕上げに気診治療を行いました。




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