冷えの改善に必要なこと [治療法]
冷えという言葉は医学用語ではなく、日常生活の中の言葉です。
そのため、あるいは医学的に冷えを取り上げることは稀なことです。
簡単にいうと、所長が医学部の学生だった頃には冷えという言葉は講義では出てきませんでした。
その後医学用語事典などを探してみましたが、言葉としては出てくるものはありましたが、
説明が通り一遍で内容が理解できるような書き方はしてありませんでした。
その後冷えに関する論文を集めましたが、冷えをどう定義するかが意外と難しいことに気づきました。
さらに自分なりの定義を作り、論文にまとめました。
そのような活動をしておりましたが、いわゆる冷えは確実に治ります。
なぜならば、冷えた身体が温まるまで熱を加え、その熱が身体周囲に保持できれば解決するのです。
冷え切った状態は前回の書き込みにもありますが、内臓に十分に血液が流れない状況になっております。
多くの方は身体が温まる食品のことを考えるのですが、その食品が吸収されにくい状態が冷えなのです。
物理的に外部から加熱するステップがないと冷えは改善しにくいのです。
逆に言えば見かけだけでも内臓に十分に血液が流れる状態ができれば、
冷えによる悪さは改善できます。
その手段として、熱量の多い湯たんぽの活用を勧めるわけです。
外部から熱を加えても、その熱を保持できなければ効果は半減します。
就寝中に十分に身体が温まると便利です。
まずは入浴前に、湯たんぽを活用して十分に温まってください。
そうしてから入浴すると身体の芯まで温まりやすくなります。
湯上がりにはタオルを4つにたたんで、パンツの中に入れます。
限局的に重ね着するのです。
腹巻きをする方は多いのですが、お腹が温まっただけでは不十分なことが多いのです。
お尻が温まって初めて足先にまで温かい血液が流れるようになります。
タオルを使って重ね着するのはお尻だけではなく、二の腕もお忘れなく。
二の腕が温かくなってはじめて指先まで温かい血液が流れるようになります。
お尻と二の腕は温まりにくい場所なのです。
ここを限局的に保温すると冷えは治りやすくなります。
汗をかかないようにお試しください。
コロナ後遺症の治療について [治療法]
緊急事態宣言やマンボウは発出されておりませんが、罹患者が増えたためコロナ後遺症で苦しんでいらっしゃる方が非常に増えました。
感染後に慢性疲労症候群になるのは、慢性疲労症候群としては典型的な例でもあります。
当クリニックでは慢性疲労症候群の治療を行なって、すでに30年以上の経験を積んできました。
現在の疲労学会の前身である、慢性疲労症候群研究会の時代から参加してきました。
当初は慢性疲労症候群の治療では全く成果が上がりませんでしたが、地道に治療を研究してきました。
慢性疲労症候群は一般的には難病とされておりますが、
治療法を薬物治療から物理的刺激に変更することで、慢性疲労症候群は治る病気になりました。
このことは疲労学会その他の学会でも報告し、一部のデータは論文化しております。
コロナ後遺症は発症してから日が浅い慢性疲労症候群と考えると大きな間違いはないと思います。
コロナ後遺症は慢性疲労症候群の治療をすれば治ると考えております。
ポイントは2つあります。
冷えの改善と筋肉の異常なこりの改善、この2つです。
詳細はこのブログ及び湯たんぽのブロブを参照してください。
この二つのブログに適宜書き込みます。
早く冷えを改善したい方は当クリニックのHome Pageを参照してください。
確実に冷えを改善させる方法を掲載してあります。
筋肉のこりを改善させるのは難しいです。
間違いなく言えるのは、
こっている筋肉そのものを刺激するのはやめた方がいいということです。
こりを改善させる方法はまだ完成しておらず、いまだに進化形です。
抗がん剤の副作用:爪が黒くなる [治療法]
これはこのブログを検索してくださった方の検索ワードの一つです。
抗がん剤治療を受けている患者さんでは爪が黒くなることが多いのですが、それはなぜでしょうか?
抗がん剤は交感神経を刺激する薬物なのです。
そのため白血球の中の顆粒球が増えて、リンパ球が減ります。
顆粒球が役目を終える時には活性酸素を放出します。
この活性酸素が日焼けと同じように皮膚を黒くするのです。
ではどうしたらそのようなことが避けられるでしょうか?
顆粒球を減らしてリンパ球を増やせばいいのです。
簡単なことでしょう!
しかし、実現するには難しいのです。
なぜ?
リンパ球を増やす方法は教科書には載っていないのです。
しかし、このブログに載せてある情報だけでもリンパ球が増やせることががわかると思います。
最終的には全身に血液が流れやすくなる方向に向かえばよろしいのです。
湯たんぽ美人を使って身体を加熱・保温することが最も速くリンパ球を増やせます。
次いで筋肉の異常なこりを治すことです。
筋肉がこっているということが血液の流れが悪くなることと同じ意味があります。
身体が冷えていると筋肉の異常なこりは改善しにくいので、冷えの改善と筋肉の異常なこりの改善は並行する必要があります。
他には副交感神経を刺激する方向に向かえば間違いないのです。
早寝早起き、歯磨きの頻度を増やす、乾布摩擦でもよいのです。
爪もみでもいいのです。
刺絡でもお灸でもいいのですよ!
ただし、それらの治療法の運用の仕方で効果に差が出てくるのは当然のことです。
湯たんぽは身体に悪い? [治療法]
これはこのブログを訪問してくださった方の検索ワードの一つです。
このブログでは湯たんぽの必要性・使い方を中心に述べてきました。
一方では湯たんぽを使うと、自分で熱を産生しなくなるから湯たんぽを使うのは身体には悪いとする意見があります。
道具が良い、悪いの問題ではありません。
どういう病態で湯たんぽを使い、何を改善させるのか?が問題になります。
湯たんぽそのものが良い・悪いのではありません。
湯たんぽの使い方が問われている質問だと思います。
ある程度身体が冷え切っている場合には自力で熱を産生することが極めて困難な状態になっている場合があります。
当クリニックを受診される方はほとんどがこのような状況です。
このような状態では、湯たんぽを使って身体を温めないと本来の身体機能が発揮できません。
従って湯たんぽを使わないと良くならない可能性が高い状態です。
このような方が自力で熱の産生が出来なくなるから湯たんぽを使うのは遠慮する、となればジリ貧に陥ります。
まずは自力で熱を産生する能力を回復することが最優先しなければいけません。
何しろ、折角の食事からの栄養補給がままならない状況になっているのと同じ身体状況なのです。
世界でただ一人だけの大切なあなたです。
あなたの身体では湯たんぽを活用するのがいいのか、使わない方が良いのかを診断しなければいけないのです。
その判定にさまざまな条件が出てくるのは当然のことです。
湯たんぽがなければ、当クリニックの治療法も産まれてきませんでした。
リンパ球減少症で苦しんでいらっしゃる患者さんを救うことはできませんでした。
湯たんぽがあって多くの方が救われております。
湯たんぽが身体に悪いのではありません。
湯たんぽを使わなければ身体状況が改善出来ないほど、身体が悪いのです。
針治療で出血はいいの? [治療法]
これはこのブログの検索ワードの一つです。
針治療は先端がとんがっている針をつかう治療ですので、うっ血が多い部位を刺激すると出血することがあります。
指の先端、特に爪の生え際付近には大切なツボがあります。
エネルギーが湧き出てくると考えられるツボで、井穴(セイケツ)と呼ばれます。
このツボを刺激すると非常に効果が現れやすいのです。
伝統医学の言葉では井穴刺絡と呼ばれる治療法があります。
注射の針を利用して、意識的に出血させる治療法です。
自律神経免疫治療が発足した頃には、最も有力な治療法として有名になりました。
効果がある治療法ですが、時々新聞にこの治療法をおこなって逮捕された針灸師の事件が載ることがあります。
意図的に出血させると医師法違反になるのだそうです。
出血させると、外科的処置と判断されるためです。
そのため、針灸学校では意図的に刺激したのではない、との言い訳まで指導していると聞いたことがあります。
自律神経免疫治療研究会では刺絡治療を盛んにやっておりました。
しかし、その後臨床経験を積むと刺絡治療では刺激の頻度が少ない欠点が明らかとなりました。
刺激の頻度を上げるために綿花を利用した、まだらめ式間接灸を多用するようになりました。
今では刺絡治療で治せなかった病気も治りやすくなってきております。
井穴刺絡の代わりに、爪にお灸すると刺絡治療以上の効果があり、さらにその効果が長持ちすることが判明しております。
癌の治療:自家がんワクチンの話 [治療法]
癌の免疫は、多くの研究者のお陰で長足の進歩が見られます。
今回紹介する自家がんワクチンもその成果の一つです。
手術で採取した癌組織を材料にして、ワクチンを作るのです。
抗癌剤を使い尽くして治療法がなくなった方、抗癌剤では体力が保たない方、早期癌で手術したが再発転移が心配でたまらないといった方にお勧めします。
この治療法は癌に対して特異的な免疫機能を高める効果があります。
しかし、白血球の中のリンパ球数が少ない場合には効果が乏しいことが判明しております。
このような非特異的な免疫機能を高めることは非常に難しいのです。
簡単に言うと、リンパ球を増やす方法は教科書的には知られていないのです。
しかし、かつての自律神経免疫治療研究会の経験では、爪もみ・歯磨き・早寝早起き・乾布摩擦でもリンパ球が増やせました。
中でも湯たんぽを使って身体を温めることが最強のリンパ球を増やす方法でした。
リンパ球数1,000個未満のリンパ球減少症でも極めて短期間で改善させることが可能でした。
当クリニックでは予め自律神経免疫治療を受けていただいて、ある程度リンパ球を増やしてから
自家がんワクチンを接種する方針です。こうすると最大の効果が得られると思います。
リンパ球が少ない場合に自家がんワクチンを接種しても効果が少ないことが判明しているためです。
さらに自家ワクチン接種後にも自律神経免疫治療を続ければ、理想的な治療になると思います。
自家がんワクチンを単純に接種するだけではなく、自律神経免疫治療と併用すると最高の治療になると思います。
面白い書籍発見 [治療法]
アメリカのアンドリュー・ワイル博士が統合医療という言葉を作ってくれましたので、西洋医学以外の治療法はさほどの違和感がなくなりつつあります。
当クリニックでは、統合医療で治療しております。
統合医療の治療とは、西洋医学の不足するところ・効果が不十分なところを補うことを目的としております。
しかし、統合医療と言っても西洋医学以外の治療手段が数多くあるため、その全てに精通できるのは現実には無理なことです。
いろいろと情報を集める努力はするものの、どうしても手が回りかねることが出るのが残念です。
さて、今回発見したのはオステオパシーの先生の書籍を発見しました。
その業界では高名な方のようです。
単純にオステオパシーを試みるのではなく、経絡的なツボを利用していること、さらにはかつての針灸トポロジー時代の治療法を取り入れていらっしゃる事に驚きました。
針灸トポロジーとは、1970年代に世界的に高名だった間中喜雄先生が主宰されていた針灸治療の研究会がありました。
針灸トポロジー学武会というのが正式名称でした。
所長は当時はその存在を知らず、後年になってから知りました。
それがきっかけになって今の治療法が始まっております。
針灸トポロジー学武会は、その当時としては最高峰の針灸治療を研究していた存在でした。
何人かのスターと言えるような治療家がいました。
当時の記録が残っていたので所長はその治療家を訪問し、治療を受けてきました。
その結果、加古川市の小田 一医師に師事することになりました。
それが平成4年のことでした。
当初は研究会に参加しても内容が全く理解出来ず、大変でした。
我慢して参加し続け、また良き先輩の指導を受けられたので何とかして治療できるようになってきました。
まだまだ至らない点が多々あるのは残念なことですが、なんとか改善しようと日々に精進しております。
今回発見した書籍もその一環です。
参考になる点が多く、感激しております。
ツボ刺激の話 [治療法]
いわゆる難病治療をしていると、医学部時代に習った知識というものが片寄っていることが判ります。
医学部は教育に関しては文部科学省の支配下にあります。
医学部の病院機能は厚生労働省の支配下にあります。
支配下というと奴隷的な感じがしますが、日本国の医師としてどのような知識が必要かを文部科学省が定めていると表現するのが妥当かもしれません。
病院機能として考えると、つまり治療法を考えるとまずは薬物治療となります。
これは厚生労働省の高官の天下り先(今はこれは否定されているようですが)は、製薬会社が多いらしいので、こうなるのか?と勘ぐりたくなります。
そのため、いわゆる難病では効く薬がないから病気は治らないと言われがちなのです。
しかしながら、ヒポクラテスの時代を考えると、そんなに立派な薬があったでしょうか?
それでもその時代の医師は治療をしておりました。
そしてその時代の患者さんに満足感を与えてきました。
その時代にあわせた、当時最も良さそうな、あるいはベストと考えられる治療を行っていたのでしょう。
難病とされる病気も要するに薬では効果が出ない病気というだけの話ではないでしょうか?
難病治療をしていると、もとよりそう簡単に改善しないこともありますが、意外と簡単に病態が改善することもあります。
多くの場合、身体の冷えの改善と筋肉の異常なこりを改善させると目的に敵うのです。
薬物治療をしても効果が出ない病態が改善します。
本来の身体の機能をよくすれば改善していくのです。
このことは医学部の授業では習いませんでした。
問題はどのように身体を刺激するか、が問題になります。
この手本になるのが古典です。
当クリニックの治療の根本は古典です。
その上でさらに優れたものを求めております。
悪性リンパ腫に効くお灸のツボはある? [治療法]
これはこのブログを検索してくださった方の検索ワードの一つです。
何らかの病気に特別よく効くツボがあるのではないか?
と期待されることは多いのです。
あったらいいですね!
何とか知りたいものです。
これまでに東洋医学を中心に色々な治療法を研究してきました。
古典に則った治療を研究してきましたが、上述のような特効的に効くツボというものはありません。
どうすれば病気が良くなるのか?を突き詰めると、毎日が快適に過ごせれば病気が良くなるのです。
同じ病気の患者さんを調べてみても、治療法は違ってくるのです。
なるべく早く苦痛を取り除く治療をしていくと難病とされるような難しい病気でも良くなってきます。
問題になるのは治療の頻度です。
いくら立派な治療法でも一年に一度の治療では難病は治らないでしょう!
食事だって、1日に3回摂って命を繋いでいるのです。
病気を治す治療も、ある程度の頻度が必要なのは当然のことです。
そのために自分自身で治療ができれば治療の頻度を上げることが可能になります。
当クリニックでは患者さんご自身ができる治療法をお教えしております。
このようなやり方をマスターしていただければ、一生の宝になります。
全身の浮腫がすごい患者さんの話 [治療法]
所長は肝臓学を専攻した経歴があるので、肝臓が悪くて腹水が溜まってから浮腫が出てくる患者さんを治療する機会が多かったのです。
多くは肝硬変・肝癌を合併している患者さんでした。
浮腫は肝臓が悪いから出てくるだけのものではなく、腎臓や心臓が悪くても出現する症候です。
今回紹介するのは、正確な診断がついていないのですが全身に著名な浮腫が出ている患者さんの話です。
60歳代の女性。
四肢が著名な浮腫のため、歩行困難になり近所の基幹病院循環器科を受診。
精査するのは難しいと考えたのか、詳細は不明ですが検査を予定することもなく利尿剤を処方されました。
数日内服したのですが、やたらに口が渇くだけで排尿量は全く増えなかったそうです。
日に日に浮腫がひどくなるので、当クリニックは遠かったのですが車椅子を使って受診されました。
診察すると、ここまでむくめるのかと思ったほど手足がパンパンに膨れ上がっておりました。
浮腫はブヨブヨしていると感じている方は多いと思いますが、この患者さんはカチカチに硬くなっておりました。
体格あるいは骨格は小さいと思いますが、手足はまるでプロレスラーのような太さでした。
それだけ浮腫がひどいのです。
手足がパンパンなだけではありません。
顔がまん丸になって、さらにまぶたも浮腫んで目の前にあるものも見えにくい状況でした。
筋肉のこりに関しては、浮腫の程度が著しいので判然としないのですが、間違いなく存在しているはずです。
ここまで浮腫が強烈だと血管の中の水分が少なくなっているので、利尿剤が効かなかったのか?と推測しました。
まずは冷たい手足を含めて、全身を湯たんぽで温めました。
当クリニックのある湯たんぽを総動員して臀部・背中・四肢・頚部・腹部を温めました。
温めながら首のスジに綿花を利用した、まだらめ式間接灸で刺激しました。
左右に刺激したあたりで、呼吸が楽になってきたとお話してくださいました。
その後手のひらの特殊なツボにお灸すると首・肩が楽になってきた、とお話してくださいました。
目にもお灸すると、(かなりしつこくお灸しました!)一重だった瞼が二重だったのが判りました。
眼裂が広がったのが明らかでした。
本人も目が見えるようになったとおっしゃってくださいました。
まぶたの浮腫は疲れます。
瞼に僅か1グラムの錘を貼り付けると、運動部の大学生でも30分もしないうちにバテバテになってしまいます。
これだけの浮腫ではどれだけの重さだったのでしょう!
手足も温かくなってきました。
約30分間治療すると手足が細くなってきました。
全身に活力が湧いてきたように感じてきたそうです。
自宅ではまずは湯たんぽ美人を使って身体を温めていただくことにしました。
もう少し浮腫が減ってきたら、色々なツボ刺激がしやすくなります。
最後の仕上げに気診治療を行いました。