SSブログ

中学生の頃には起立性調節障害とされていた慢性疲労症候群の大学生の話 [治療法]

 現在では大学を卒業して、大学院修士課程の1年生の男性の話です。

小学生の頃から疲れやすい子供だったそうですが、中学生になった頃には通学するのも大変になり、時々お休みせざるを得ない弱い子供時代を過ごしていたようです。

 小児科では起立性調節障害と診断されてきたそうです。


 診断名も診断する医師によっては違う病名をつけるだろうと考えられます。

かつての熊本大学小児科の三池教授ならば、小児の慢性疲労症候群と診断されただろうと思います。

内科領域ではもちろんですが、小児科領域で慢性疲労症候群を診療・研究している医師は非常に少ないのです。

そのため、診断名にも専門家の意見の相違が出てきます。


 昨年秋に、当時大学4年生だった患者さんが受診してきました。

当時の performanse statusは8。

ようやく受診できるギリギリのラインです。


 診察すると、身体が冷え切っております。

起立性調節障害とは根本的には血液循環が悪い状態と考えられます。

ある程度きちんと全身に血液が流れるようになれば、多くの症状は消えてなくなります。


 かつて診察した小学生は、小児科では起立性調節障害と診断され、薬物治療を受けておりました。

しかし、一向に効果がなく心配したお母さまに連れられて受診しました。

顔色が青ざめてみただけで具合が悪そうなのがわかりました。

触診では全身が冷たい状態。

時季が秋でした。初学生の女児ですので、短いスカート姿でした。

当分の間タイツを穿いて、ズボンにすることをお勧めしました。

翌週にお目にかかった時にはすっかり元気になっておりました。

単純に衣服の着方を変えたのです。

保温性の良い着方に変えただけで、特に治療することなく改善したのです。

 このようなことが起立性調節障害にはあるのです。


この大学生も初診時現在の診断としては慢性疲労症候群となりますが、長期間にわたる血液循環の悪さが根底にあると考えられます。


 湯たんぽで身体を加熱すると、生き返った心地がするとおっしゃいます。

ほとんど冬眠状態だったと推測しました。


 その後綿花を利用した、まだらめ式間接灸と気診治療を繰り返したところ、PS 8からPS 3に改善したのが12月初めでした。

なんとか卒論をまとめ上げて、大学院進学も決まりました。


 4月から大学院修士課程の1年生でしたが、この頃にはPS 2。


時々疲れが貯まった時には手遅れにならないように受診を勧めております。

月に1回程度の受診状況で済んでおります。


 このまま大過なく大学院生活を全うできるように、お手伝いが出来れば良いなと思っております。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康