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新しい治療法の話 [治療法]

 背中の筋肉は不思議な構造をしております。

短い筋肉が脊椎の近くをつなぎ、少し長い筋肉が少し遠い脊椎をつなぎ、長い筋肉がその上を覆うような構造です。

このようにたくさんの筋肉が背中を構成しております。


首がこる、背中や腰がこって苦しくなった時には、その構造の特徴を活かして治療することができます。

頭と首をつなぐ後頚部から腰にかけての筋肉のこりを改善させるためには、こっている筋肉そのものを刺激するのはうまくいきません。

そのようなやり方をすると、最終的には筋肉が凝り固まってにっちもさっちも行かない状況に追い詰められます。


多くの方は背に腹はかえられぬと、こっている筋肉そのものを刺激して後になってから苦しみます。


 このような場合には後頭部の刺激が効率よく背中・腰のこりを改善してくれます。


よくやる方法としては、綿花を利用した間接灸を用いて刺激します。

しかし、この部位は毛髪のため自分で刺激するのが難しいのも事実です。

そのため、ある特殊な器具を用いて刺激すると簡単に効果が出ることが判明しました。


 この器具のおかげで後頭部の刺激のみならず、こめかみ付近の刺激も容易になりました。




7-8年前に作成していただいた器具が効果的であることが判明しております。


 

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股関節周囲炎の治療 [治療効果]

 整形外科領域では肩関節周囲炎が有名です。

いわゆる五十肩の時にこの病名がつけられます。

肩関節周囲に治療のポイントがあるので、このように命名されたと聞き及んでおります。


 肩関節は人体で2番目に大きな関節です。

しかし、最も大きな股関節には同様の病名である股関節周囲炎という病名はありません。

肩関節で不調が出るならば、股関節にも同様の病態があっても不思議はないのでは?と考えたくなります。


 もう50年以上遡りますが、このように考えたのが所長の師匠である小田 一です。

股関節周囲炎の治療をすると、顔面に出た帯状疱疹の痛み・首や背中・腰の痛みにも効果的です。

なぜこのような効果が出るのか?非常に不思議です。

整形外科医は神経と痛みの関係の専門家ですので、臀部の刺激が神経支配とは関係のない上半身の痛みに効果が出るのか不思議に思ったそうです。

この事実を学会で発表すると、効果的な機序が説明できないことを相当に叩かれたそうです。


 しかし、めげずに研究を続けているうちに、ある学会でそれは針灸治療と同じであるとコメントを貰ってから師匠の針灸治療研究が始まったのです。


 その後当時の最高峰の針灸治療の研究会である、鍼灸トポロジー学武会に参加するようになったのです。

針灸治療を昭和の時代に復興させた外科医の間中喜雄先生が主催された研究会で、残された論文集を読んでも大変高度な研究をなさっていたことが判ります。

針灸治療の研究会ですが、トポロジーという数学の概念を冠にする研究会です。

発想を大切にする雰囲気があったそうです。


 所長はこの研究会の存在を知った時には主催者の間中喜雄先生ご逝去後で、研究会も解散した後でした。

主だった講師がそれぞれの研究会を立ち上げていた時代にこのような事情を知りました。


 こういった研究会をいくつか見学に行きました。

治療もしていただきました。


 内科医としての自分がやるとしたら小田 一先生の方法だと思い、

平成4年11月の研究会から針灸気診研究会に参加することになりました。


 股関節周囲炎の治療をオリジナルの方法で試す機会がありました。

驚くほどの効果があり、何人かの患者さんにも試みました。


通常の治療に反応しにくい状態になった患者さんには著効することが多く、

他の治療法でうまくいかない場合には早めに試みるべき方法と再認識させられました。



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