渥美和彦先生の話 [追悼]
一年の終わりの時期には訃報が気になります。
本日は大晦日です。
コロナ禍が始まった年の大晦日には
日本統合医療学会を立ち上げてくださった渥美和彦先生がお亡くなりになりました。
本日が命日です。
学会発足の頃には少なくとも月に1度はお宅に呼ばれて、
理不尽とも思われる注文を受けたことが多々ありました。
何しろ新しいことを始めたのです。
人手が足りなくて一人何役もこなさなければいけなかったのです。
それでも最後は渥美先生が仕上げをしないといけない状況でした。
まさに八面六臂の活躍があったので、現在の統合医療学会が出来上がりました。
学会発足当時は新しいことを始める熱気が楽しく、また渥美先生の馬力には驚かされ続けました。
お亡くなりになった翌日である元旦には年賀状をいただいたので、驚きました。
しかも例年のように印刷された文言だけではなく、自筆でコメントが書いてありました。
ご体調が悪い中だったろうに、おそらく一人一人に手書きのコメントを書いてくださったのだと思いました。
ご冥福をお祈りしております。
明日は大晦日 [季節]
いよいよ押し詰まってきました。
小学生の頃には年の瀬というとなんとなく気持ちが急かされる感じがしましたが、
いい加減に齢を重ねてくると昨日と本日との区別もあまり差を感じなくなってきました。
いろんなことに鈍感になってきたのか、あるいは毎日を大切に生きているからなのか?
よくわかりません。
この年末・年始はかなり冷え込みがきつくなりそうです。
再び大雪の被害が予想されております。
日本海側は豪雪で大変そうですね。
関東地方は大した雪ではなさそうですが、乾燥が大変です。
湿度が概ね30%程度で推移しております。
コロナやインフルエンザに罹患しやすくなりますので、加湿器の活用が必要です。
居室でお湯を沸かすだけでも湿度の改善に効果的ですので、試みてください。
アメリカで発表になった論文によると、新型コロナウイルスは湿度が低くても高過ぎても
流行するということが判明しております。
通常のウイルスでは湿度が高くなるとその生存期間が短くなりますが、
新型コロナはちょっと違う性格があるようです。
この時期に新型コロナウイルスの生存期間が伸びるほどの湿度を維持するのはまず無理ですので、
ある程度加湿に気を付けましょう。
あと一日で2022年も終わりです。
2023年が輝かしい年になりますことを祈っております。
皆様のご多幸をお祈りしております。
明日は冷え込みそうです [季節]
最近の都内の最低気温は5度前後です。
かなり低め安定した状態です。
しかし、明日朝の最低気温の予報では2度となっております。
どんな病気でも全身の血液循環が悪くなればいいことはありません。
冷えがあるということは内臓に十分に血液が流れないことを意味しております。
内臓の機能が悪くなることが冷えの本態です。
今夜は皆さんご用心を!
あったかい湯たんぽが必要です。
コロナ後遺症について [治療法]
コロナ後遺症はコロナ感染症そのものよりも大問題です。
どのような方が後遺症に苦しむようになるかは予測できないのが現状です。
予測できたとしても感染したら対処法がありません。
コロナ後遺症の患者さんの特徴をまとめて疲労学会で発表しております。
これまでに診療してきた慢性疲労症候群の患者さんとの類似点がありますが、多少の相違点もありました。
類似点としては身体の冷えが著しいことと筋肉のこりが目立つことです。
これまで診療してきた慢性疲労症候群の患者さんよりも、冷えの程度としては悪いかもしれません。
相違点としては慢性疲労症候群の患者さんでは大腸のガスはさほど観察されませんでしたが、コロナ後遺症の患者さんでは大腸ガスが量が多いことと頻度が高かったのです。
冷えの程度は厳密には比較できませんでしたが、印象としてはコロナ後遺症の患者さんの方が悪いと思います。
筋肉のこりに関しては、コロナ後遺症の患者さんの方が程度が悪いと思います。
コロナ後遺症の患者さんは急激に筋肉のこりが増悪した状態になっているのでは、と推測しております。
そのため今までと全く異なった身体の状況に追い込まれているのだろうと思います。
特にコロナ後遺症は若い世代に多く、学業・仕事に差し支える事が問題になります。
なるべく早く改善しないと人生が破壊される可能性が高くなります。
治療はどうすれば良いのか?
まずは冷えの改善が大切です。
コロナ後遺症の治療には漢方薬を処方されることが多いのですが、これだけ冷えていると漢方薬の吸収が悪いのです。
従ってせっかくの漢方薬が効果をあげにくいのです。
実際当クリニックを受診してきたコロナ後遺症の患者さんの多くは様々な薬物治療(漢方薬を含む)を受けてきておりますが、効果がないから受診されております。
薬物治療が効果を出す条件を満たしていない状態で治療を受けるのは勿体ないです。
十分に身体を加熱・保温しただけである程度は疲労倦怠感そのものが軽減・改善してきます。
こうして治療を受け入れる体勢を作りつつ、綿花を利用したまだらめ式間接灸で筋肉の異常なこりを改善していくのです。
刺激の仕方にコツがあります。
こっている筋肉そのものを刺激するのはいけません。
こっている筋肉そのものを刺激すると一瞬楽にはなります。
しかし、その刺激を繰り返していると効果的な時間が段々に短くなってしまいます。
最終的には刺激している傍ら筋肉のこりがでてくるようになります。
そこまでなってしまうと改善させるのには莫大な時間がかかるようになります。
当クリニックのやり方で治療しても、コロナ後遺症はすぐには改善しません。
手強い状況では身体が反応するのに時間がかかることが多いのです。
ある程度の期間(目安は3ヶ月間です)はしっかりと治療を続けることが必要になります。