コロナ後遺症について [治療法]
コロナ後遺症はコロナ感染症そのものよりも大問題です。
どのような方が後遺症に苦しむようになるかは予測できないのが現状です。
予測できたとしても感染したら対処法がありません。
コロナ後遺症の患者さんの特徴をまとめて疲労学会で発表しております。
これまでに診療してきた慢性疲労症候群の患者さんとの類似点がありますが、多少の相違点もありました。
類似点としては身体の冷えが著しいことと筋肉のこりが目立つことです。
これまで診療してきた慢性疲労症候群の患者さんよりも、冷えの程度としては悪いかもしれません。
相違点としては慢性疲労症候群の患者さんでは大腸のガスはさほど観察されませんでしたが、コロナ後遺症の患者さんでは大腸ガスが量が多いことと頻度が高かったのです。
冷えの程度は厳密には比較できませんでしたが、印象としてはコロナ後遺症の患者さんの方が悪いと思います。
筋肉のこりに関しては、コロナ後遺症の患者さんの方が程度が悪いと思います。
コロナ後遺症の患者さんは急激に筋肉のこりが増悪した状態になっているのでは、と推測しております。
そのため今までと全く異なった身体の状況に追い込まれているのだろうと思います。
特にコロナ後遺症は若い世代に多く、学業・仕事に差し支える事が問題になります。
なるべく早く改善しないと人生が破壊される可能性が高くなります。
治療はどうすれば良いのか?
まずは冷えの改善が大切です。
コロナ後遺症の治療には漢方薬を処方されることが多いのですが、これだけ冷えていると漢方薬の吸収が悪いのです。
従ってせっかくの漢方薬が効果をあげにくいのです。
実際当クリニックを受診してきたコロナ後遺症の患者さんの多くは様々な薬物治療(漢方薬を含む)を受けてきておりますが、効果がないから受診されております。
薬物治療が効果を出す条件を満たしていない状態で治療を受けるのは勿体ないです。
十分に身体を加熱・保温しただけである程度は疲労倦怠感そのものが軽減・改善してきます。
こうして治療を受け入れる体勢を作りつつ、綿花を利用したまだらめ式間接灸で筋肉の異常なこりを改善していくのです。
刺激の仕方にコツがあります。
こっている筋肉そのものを刺激するのはいけません。
こっている筋肉そのものを刺激すると一瞬楽にはなります。
しかし、その刺激を繰り返していると効果的な時間が段々に短くなってしまいます。
最終的には刺激している傍ら筋肉のこりがでてくるようになります。
そこまでなってしまうと改善させるのには莫大な時間がかかるようになります。
当クリニックのやり方で治療しても、コロナ後遺症はすぐには改善しません。
手強い状況では身体が反応するのに時間がかかることが多いのです。
ある程度の期間(目安は3ヶ月間です)はしっかりと治療を続けることが必要になります。