線維筋痛症の患者さんの話:線維筋痛症は治る病気です。 [治療法]
線維筋痛症は全身に痛みが広がっている病気で、関節リウマチなどとは違って炎症がない病気です。
その痛みは程度が重篤で、あまりの痛みのために自殺する方も出るほどです。
昨年末からこの線維筋痛症のために受診されている60歳台の女性がいらっしゃいます。
全身の痛みの中でも特に膝の痛みがひどく、歩くのに難渋する状態です。
右膝よりは左膝の痛みが強く、明け方になると痛みで目覚めるのが続いておりました。
診察すると痛む膝そのものではなく、膝を支える内転筋群に著しいこりがありました。
綿花を利用した、まだらめ式間接灸でその内転筋群を刺激すると痛みが軽減します。
何度か繰り返しましたが、治療直後は痛みはなくなります。
しかし、ある程度時間が経つと再び痛みが出てくるのです。
つまり、この治療法では限界があります。
そこで経絡的な考え方でツボ刺激を試みました。
膝の下にあるツボを刺激すると、内転筋の緊張が緩みます。
仰臥位で治療しておりますので、この時点では痛みの状態はあまり分かりません。
治療後に歩くと痛みが全く消失しておりました。
以前の治療ではここまでの効果はありませんでした。
痛くはないが多少の違和感が残っていたのです。
ある程度時間が経つとまた痛みはぶり返すと思いますが、これまでの治療よりは長持ちすると思います。
繰り返し治療しているうちに、筋肉の質が変わります。
そうして効果が長持ちするようになります。
痛みは我慢すると増悪する傾向があります。
いくらかでも早く改善させる必要があります。
治療法によっては、線維筋痛症は治る病気です。
天候が不安定ですね! [季節]
春先は天候や気温が不安定なことが多いですが、今年は殊更な印象があります。
2月に気温が20°Cまで上がったり、3月に入っても最高気温が10°Cまで届かなかったりと
非常に不安定な気候が続いております。
身体が丈夫な方はさほどの影響はありませんが、体力的に低下している方にとっては辛い環境です。
この状況は身体にとっては交感神経が優位になっている状況です。
ストレスがかかった時の身体の防御反応の一つと考えられます。
対策はどうするのか?
副交感神経を刺激する方向に向かえばよろしいのです。
身体にさまざまなストレスがかかると交感神経が優位になります。
ストレスから逃げのびるために内臓に流れる血液の量を減らして、手足の血流を増やすのです。
そうすると逃げやすくなります。
反面内臓の機能が低下するので、活動するに必要なエネルギーの産生量が減ります。
従ってストレスがかかる期間が短ければなんとかなりますが、ストレスがかかる期間が長引くと活力が低下してきます。
やがて多少の休息では疲労が回復しない状況に追いやられます。
具体的にはどうすれば良いのか?
これが問題です。
血液を送り出すのにもエンルギーが必要です。
そのためのエネルギーを産生するだけの身体の活力が失われている状況では、自力で身体が必要とするだけの血液を送り出すことが極めて難しい状況となっています。
そのため、身体を加熱保温することが必要となります。
生半可な熱量では間に合わないので、2リットルの沸騰したお湯を利用して湯たんぽを使います。
身体を温める熱量としては13万カロリーの熱量になります。
標準的な電気アンカは30ワットで、1時間あたりの熱産生量は約2万5,000カロリーです。
湯たんぽは身体に載せた瞬間に温かさを感じられますが、電気アンカは温かく感じるまで時間がかかるでしょう?
これが身体を温めるパワーの差になります。
身体の機能が低下した状態では、まずは湯たんぽの助けを借りることです。
病気治癒の第一歩といっても過言ではありません。