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重症筋無力症の患者さん [具体的な症例]

 2年前に胸腺腫の摘出手術を受けたのに、重症筋無力症を発症した43歳女性の患者さんが受診してきました。
発症したのが妊娠中だったので、薬を使わずに経過観察だけだったのですが、ついに歩行も困難となりものを飲み込むことも困難となったため、予定日よりも早めに出産してから治療を始めたそうです。
立派な大学病院で治療を受けていらっしゃいます。
 薬で多少症状は改善したものの、再び症状が増悪しステロイドを使ったところ、抗アセチルコリンレセプターが160程度だったのが低下してきました。
ステロイドも減量してきたのですが、顔がこわばる・手が挙げられない状態で受診されました。

 上肢を中心として筋力は低下しておりますが、筋肉量は比較的保たれているようです。
肩関節周囲にはかなりの凝りが認められ、上肢は挙げにくいだろうと推測出来ました。
また、全身が冷えておりましたので、湯たんぽを利用した身体の加熱を勧めました。

再診のときには、湯たんぽのお湯を5回/日替えるという立派な生活をしたそうです。
身体が温かくなると、快適となり身体も動かしやすくなるのが実感できたそうです。
再診のときから刺絡と気診治療を開始しました。
第3診では肩甲骨付近の筋肉の異常な凝りを解消させるために、綿花を利用した間接灸を開始しました。
灸治療前では手首を肩関節より上にあげることはできませんでしたが、灸治療後にはバンザイが出来るようになりました。

その後、2週ごとに受診されましたが、上肢の挙上は全く問題なく出来るようになりました。
治療前からバンザイができました。
今回は1ヶ月間、間をあけましたが何の問題もなくバンザイができました。
以前よりもきれいなバンザイでした。

 重症筋無力症だからと、あきらめるのは間違っています。
重症筋無力症でも筋肉の異常な凝りを改善すると、筋力あるいは筋肉運動が改善することもあるのです。

 抗アセチルコリン抗体が高い状態でも、筋力は回復しました。
あと10年後にどのような状態になっているか予測はできませんが、今の状態がいい方が10年後もいい状態になると推測します。

 青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所 http://www.dr-madarame.com
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