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セツキシマブの副作用に対する治療 [治療法]

 頭頚部の悪性腫瘍のため、セツキシマブを使った治療を受けている患者さんが受診されております。
数回に渡る手術を受けたのですが、リンパ節転移を繰り返す状況で受診されました。
放射線治療も終了しており、西洋医学的には分子標的薬であるセツキシマブを含めた抗癌剤治療を勧められたのでした。
もうこれしか治療法はない、とされ藁にもすがる気持ちで抗癌剤の治療を受けました。

これほど苦しい思いは産まれて初めての経験だったそうです。
こんなに苦しんでも生存期間が延びるのが1年もない、と聴いたそうです。
こんなに苦しんだから、腫瘍が消えてくれなければ報われないと考えたそうです。

まもなく退院となった頃に上半身中心に皮疹が出てきたのです。
セツキシマブの副作用では好発するようですが、通常よりも広範囲にでているようでした。
真っ赤になった健常皮膚に、多発する小膿疱がみられました。
有り体にいえば、真っ赤になった肌にニキビが多発しているような状況です。

立派な病院に入院していたので、皮膚科で診察を受けたところ、ステロイドの軟膏を塗るように指示されたのでした。
全身がかゆくてかゆくて堪らない状態でしたので、早速塗りました。
なにしろこれだけ蒸し暑い時期なので、汗が多くほとんど効果がみられませんでした。

こんな状況で受診されたのでした。
当クリニックでの見立てでは、皮膚の赤みはうっ血のせいです。
ニキビ様の皮疹は顆粒球の残骸が集まったものと考えました。
治療法としては、局所にリンパ球を増やせば解決すると考えました。

この患者さんには自宅でも治療出来るように、綿花を利用した間接灸を行いました。
特に背中の状態が改善してきました。
赤みが急速にひけてきたのです。

背中の筋肉のこりをほぐす目的でお灸したのですが、背中全体の血液の流れがよくなったようで、赤みがみているうちに消失したのです。
胸部や腹部の赤みはそれほど急速には改善しませんでしたが、それでも皮膚が白くなった部分がでてきました。
ご本人は大喜びで、自宅でも頑張ってお灸をするとおっしゃいました。
その後お灸をしたり、この蒸し暑いのにも拘らず湯たんぽで身体を加熱するとかゆみが改善するのに気づいたのです。

冷房を入れて、湯たんぽを使う生活でした。
ステロイドの軟膏は使わずに経過をみております。
使えばリンパ球が減る可能性が高くなります。
癌のある患者さんが、使いたがるはずがありません。

ステロイド以上に効果のある治療手段を提供できて少しは安心しました。
しかし、今後は腫瘍そのものを縮小させる方向に向けて、知恵を振り絞る必要があります。

 青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所 http://www.dr-madarame.com
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