SSブログ

抗癌剤注射後の血管痛の患者さんの話 [治療効果]

 乳癌の手術後9年目で、肺転移を来した患者さんの話です。
やむを得ず抗癌剤の点滴治療を開始したら、点滴を入れている静脈に一致して痛みが出てきたそうです。
痛くて・苦しくて大変な思いをしていたのです。
肘関節付近の静脈から点滴をしていたので、本人の感覚では前腕部の静脈が痛く感じているようです。

診察させていただくと悪いのは血管ではなく、前腕部の筋肉が著しく凝っているのです。
尋常ではない凝り方です。
あまりにも筋肉の凝りがひどいので、筋肉内には十分に血液が流れなくなり、前腕部の筋肉をはじめとする組織に酸素が行き渡らなくなって痛みがでた、と考えました。
狭心症が有名ですが、酸素不足になると該当する組織に痛みが生じるのです。
この患者さんの場合には、前腕部の筋肉が凝り過ぎて周辺の血管(動脈・静脈を含む)を圧迫したためにでた症状と推測しました。 
 治療法は異常に凝った筋肉をほぐすことです。
抗癌剤のために生じたこのような筋肉の異常な凝りを治療した経験はありませんでしたが、病的な状態を引き起こした理由とはほとんど無関係に治療はできます。
実際にいつも通りに筋肉をほぐす治療を行なった所、あれだけの異常な筋肉の凝りは急速に改善しました。
ご本人にも治療の手順を教えましたので、万が一にも症状が再発しても対処出来るはずです。

 ご本人は一生治らないものと信じていたそうですが、あまりにも簡単に改善したのでもっと早く来ればよかった、とおっしゃってました。
症状を引き起こす異常な病態を改善させれば、ある程度の症状の緩和につながります。
西洋医学的に判断する病態が、その他の医療を用いて改善することはよくあることなのです。
どんな医療・医術を用いても快適に過ごせる方がありがたいことです。

 青山・まだらめクリニック 自律神経免疫治療研究所 http://www.dr-madarame.com
 
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0